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青花花唐草文小壺

景徳鎮窯
明 正徳年間(1506〜1521年)
高 10.3 cm 胴径10.1 cm

来歴

繭山龍泉堂, 1970年代.




Jingdezhen wear
Zhengde, Ming dynasty (1506–1521)
H. 10.3 cm Torso Dia. 10.1 cm

PROVENANCE

Mayuyama & Co., Ltd., Tokyo, in 1970s.






SOLD

明時代中期、正徳年間(1506〜1521年)頃に景徳鎮民窯で作られた小壺です。自由闊達な筆遣いで描かれた宝相華唐草からは、描く愉しさのようなものが感じられます。景徳鎮民窯磁器は東南アジアを経由して盛んに海外へ輸出されたようで、のちに南海方面から取り上げられた「海上がり」と称される作品群が散見されます。それらは長い期間海中などにあったために釉薬が劣化してしまっているものが多く見られますが、本作はそれらとは異なり透明釉の保存状態が良好で、鑑賞に適する美しさを有していると云えます。

景徳鎮は最高の技術と材料を用い、宮廷の用に供するためのいわゆる「官窯」が名高いものですが、その周辺には数百の民窯があったと考えられています。官窯で優れた磁器が産されたことは違いありません。しかし、本作を焼いたような民窯が明末における生産増大時の官窯を支え、嘉靖、萬暦と続く新たな様式を生み出す活力となったことも見過ごせません。この青花壺の素朴な佇まいの中にも、そのような力強さが内在しています。