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青磁刻花牡丹文碗

耀州窯
北宋(11〜12世紀)
高 4.0 cm 口径 14.9 cm

Yaozhou ware
Northern Song dynasty
H. 4.0 cm Mouth Dia. 14.9 cm




北宋期後半に耀州窯にて焼造された青磁作品です。片切り彫という耀州窯が得意とした技法で牡丹文様が表されており、彫りの浅深によって釉の濃淡が生まれ、絵付けされたものとは異なる立体感ある表現が魅力です。

この頃の耀州窯には定窯と同じように、片切り彫文様と型押し文様とがあり、型を作ってしまえば量産が可能な型押しとは違って、片切り彫りは一点一点ナイフのような道具で文様を彫っていくため、たいへん手間がかかります。そのため点数も少なく、さらに北宋期の作例で複雑な文様のものはことのほか珍重されます。

本作は大きさも珍しく、片切り彫りが施された北宋期の盤や碗としては、通常のものよりは二回りほど小さいのですが、だからといって小盤や小碗よりは大きいという、おもしろいサイズ感です。釉色は、この時期らしいきれいなオリーブグリーンに呈色しており、コンディションもよく傷等はございません。フランスの市場から出てきた経緯や、その佇まいからも、第二次大戦前に出土しヨーロッパに渡ったと思われます。

耀州窯の作品は、後年市場に流入した少々気分のよくない物も多いため、購入を避けてきたという蒐集家の方も時々いらっしゃいます。それはおそらく、そういった物の持つグチャグチャ感のようなものに、おどろおどろしいような印象を受けたからだと考えられます。しかし、本当の北宋耀州窯のよさは、文様が混んでいるにもかかわらず、どこかスカッとした貴族的な気分を有しているところです。そういった耀州窯には鑑賞者の胸をすくような清涼感とやさしさがあり、当時の士大夫階級の美意識をよく伝えているように感じます。本品はそういった美質を有する数少ない作例です。お手元で自然光で愉しんで頂けたら嬉しい限りです。