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青磁輪花鉢

高麗(12世紀)
高 6.4 cm 口径 18.9 cm

来歴

小堀宗慶(1923〜2011年)箱書.




Koryo dynasty 
H. 6.4 cm Mouth Dia. 18.9 cm

PROVENANCE

Box inscription by Kobori Sōkei (1923-2011).






12世紀の高麗王朝で焼成された素文の青磁の作品です。箱書きには碗とありますが、大きさから見て鉢として作られたものでしょう。六弁の輪花形ですが、口縁に入る切り込みは大変控えめで可憐な印象です。内側には口縁下に一本圏線がめぐらされています。高台の畳付き除いて全面にかかる釉薬は、高麗青磁の特徴である少し灰緑味を帯びた青色を呈しています。器形と釉色が相まって、醸し出す雰囲気はとても品の良い一品となっています。

高麗青磁は「秘色」と呼ばれる中国・越州窯の青磁の影響を受けて、10世紀中頃から造られ始め、そのピークは11世紀末から12世紀初頭にかけてで、その特徴のある釉色は翡翠の色に例えられて「翡色」と呼ばれていました。また、南宋の頃の中国の書物『袖中錦』には「高麗秘色…天下第一」という記述が見られ、中国でもその釉色が評価されていたことがわかります。

本品の箱には、遠州流の先代の家元、12世小堀宗慶(1923〜2011年)の箱書きがなされており、茶道具の菓子器としても相応しいと思われます。