Max Robertson(1915〜2009年)旧蔵.
Max Robertson (1915–2009) Collection.
南宋時代に龍泉窯で焼かれた青磁盃です。ゆったりと弧を描く半球形の器体に小さめの高台と覆輪がアクセントになっています。無釉の高台畳付きからは焼成によって赤味が強く出た露胎が見えています。
南宋の頃の龍泉窯青磁と云えば澄んだ青味のある釉色を思い浮かべますが、本作は若干緑味が強く発色しています。また、焼成環境によってその発色も均一ではありません。ただ、そのような特徴が、逆に片身替りのようにも見え、本作の面白い個性になっているとも云えます。また、その姿を愛でていただくだけでなく、実際に酒器として使っていただくのにも最適な大きさと手取りの一品です。