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螺鈿楼閣人物文文箱

明(16〜17世紀)
高 13.2 cm 長 48.9 cm 幅 34.3 cm

Ming dynasty
H. 13.2 cm L. 48.9 cm W. 34.3 cm




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全体が螺鈿で彩られた、明代後期の大きな文箱です。「螺−貝」を用いて、「鈿−象嵌し飾る」、この技法は中国を中心に東アジアで隆盛しました。貝片を細かく加工し細密な描写が出来る技術の高さ、文様が固くならない自然な表現は本作からも見て取れます。

天板部分は大きな画面として、絵画的な構成になっています。右方に座すのは周囲に植えられた桃から西王母と考えると、左方の橋の先に居るのはその仙桃を盗み食べ八千年の長寿を得たという東方朔でしょうか。大胆に伸びる松、双鶴や鹿といった意匠もやはり長生を象徴するものです。道教の神仙で、長寿を司る寿老人(寿星)は鹿を伴う姿で描かれることが多くありますが、そのようなイメージも多層的に重ねられているようです。いずれの画題もめでたい文様であり、このような吉祥文様の多用は嘉靖萬暦の美術の特徴と云えるでしょう。右上方に枠に囲まれた刻銘があり、作者と思われますが未詳です。

陶磁器と比べると、漆工や金工にはマイナーな印象を持たれる方も多いかもしれません。ただ工芸品としての技巧、格の高さはやきものを超越するものがあります。嘉靖萬暦には五彩や青花で作られた方形の合子がありますが、それらも本作のような漆工が祖型となったと考えられます。

是非一度作品をご覧になっていただき、漆工芸の魅力を感じて頂ければと思います。