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緑釉耳杯

後漢 1〜2世紀
長 12.7 cm 高 7.6 cm

来歴

Lawrence E. Glick旧蔵.
1982年, Art Institute of Chicagoに寄贈(acc. no. 1982.1285).




Eastern Han
L. 12.7 cm H. 7.6 cm

PROVENANCE

Collection of Lawrence E. Glick.
Gifted to Art Institute of Chicago, Chicago, in 1982 (acc. no. 1982.1295).






後漢時代に酸化銅を呈色剤とする緑釉によって焼成された耳杯です。耳杯という形状自体は漆器や金属器にもみられ、特に漆器に類例が多く、質も高い印象です。陶器ですと、緑釉の作品の他、灰釉及び青磁の作品が遺存しており、漢から西晋にかけて多く作られたようです。

本作は一般に緑釉と云われる作例で、土中での劣化による銀化と銀化せずに残った部分との対比が見どころの一つです。とくに本品の残存した緑釉の釉色は美しく、なんとも云いがたい色調を呈しています。

1990年代、多くの新出土の漢緑釉の作品が市場に出たため一時は価格も下落の一途でしたが、ここ数年は比較的価格も安定し、品質の高いものと低いものとの選別が進んできているように思われます。弊社では、漢緑釉に関しては戦前期の出土のものしか取り扱わないことにしており、この十年間で扱った漢緑釉の耳杯は本品を入れて三点ほどです。市場における個体数は多いのですが、いざ戦前期出土のタイプとなると極端に数が少なく貴重です。90年代に香港から大量に漢緑釉の作品が市場に流れ出るまでは、漢緑釉は希少かつ高額な作品の一つでした。繭山龍泉堂でも東美特別展などの重要な展示会のメインを飾ったりもしていたほどです。従って、そういった時期に高額で取引されていた作品には、やはりそれだけの価値があると考えております。現状でも当時の価格の数分の一ほどしか値段は戻っていません。そのような点からも、品質の高いものを比較的安価で手に入れることができます。

一人でも多くの蒐集家の方が漢緑釉の持つ真価に着目し、そのおおらかさと気分の大きさ、現代にも通じるモダンさとを愉しんで頂けたらと思っております。