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緑釉灯火器

当陽峪窯
北宋(10〜12世紀)
高 7.6 cm 径 11.1 cm

来歴

Bluett & Sons, ロンドン.
A. Lionel Despointes 旧蔵.
Sotheby & Co., ロンドン, 1954年, lot 6.


出展

「Exhibition of Wares of the T’ang Dynasty」The Oriental Ceramic Society, 1949年, ロンドン, no. 134.




Dangyangyu ware
Northern Song dynasty
H. 7.6 cm Dia. 11.1 cm

PROVENANCE

Bluett & Sons, London.
A. Lionel Despointes Collection.
Sotheby & Co., London, 1954, lot 6.


EXHIBITED

Exhibition of Wares of the T’ang Dynasty, The Oriental Ceramic Society, 1949, London, no. 134.






北宋時代に磁州窯系の当陽峪窯で焼かれた緑釉の香炉です。この作品の魅力はシャープな器体にあります。器の削りの鋭さは金属的なものを想起させ、全体に引き締まった感覚があります。磁州窯系諸窯の作品は日用陶器を焼くための民窯であり、ラフで粗雑な作品も非常に多く残されていますが、その中で優れた技術を有し定窯にも劣らない作品を作った窯として名高い窯に当陽峪窯があります。その中には鑑賞美術の範疇に属する卓越した造形の品が残されており、本作はその例に漏れないと云って良いでしょう。

釉薬は緑釉のみの単純な彩色ですが、その緑釉は非常に深く鮮やかに発色して見るものを惹きつけます。現代の感覚からすると独特な鍔の広い不思議な器形と、シンプルな配色がモダンな印象に繋がっており、良い意味で古い印象は感じられません。現代の空間にも似合う品物と思われます。

本作品は、1949年にイギリスのThe Oriental Ceramic Societyが主催した「Exhibition of Wares of the T’ang Dynasty」に唐時代の緑釉作品として出陳されています。当時はこの器形が宋代のものと認識されていなかったのでしょう。このように作品の年代観はその時々の研究によって往々にして変化があるものですが、造形や色彩の優れた魅力は普遍です。ロンドンの名ディーラーBluett & Son’s の古い扱い、また旧蔵者Lionel Despointesのコレクションとして1954年のSotheby’sにて売却された記録も付随し、古く欧州へ渡ったと思われるこれらの来歴も作品の価値を高めています。