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灰陶爵

殷後期(前13世紀〜前11世紀)
高 12.4 cm 幅 10.1 cm

来歴

Sammlung Martin Fischer(1882〜1961年)およびその遺族旧蔵.




Late Shang dynasty (13th century BC–11th century BC)
H. 12.4 cm W. 10.1 cm

PROVENANCE

Sammlung Martin Fischer (1882–1961) Collection, by descent to a family member. 






SOLD

殷時代に酒器として用いられた青銅爵を模した陶製の爵です。単純化された三つ脚や把手など一見シンプルで愛らしい様にも見えますが、その節々の造形には青銅器が想起され、やはり同時代の殷代青銅器にも通底する強さを有していると云ってよいでしょう。殷時代の卓越した青銅器文化はよく知られていますが、その青銅器を模した加彩土器も同時代に作られており、本器はまさにそういった好例と云えます。


旧蔵者Sammlung Martin Fischer (1882〜1961年)は1907年から外交官として中国に渡り、1939年には上海の総領事となった人物でした。氏の来歴に加えて興味深いのは、付随する支那箱です。裏地に用いられた古裂や風格のある作りから、1930年代の民国期に遡ろうかという古箱で、この爵が非常に珍重されたことが窺えます。かつて伝説の王朝と思われていた殷王朝は、19世紀末の甲骨文字の発見から、金石学者達の熱意によって研究され、1928年から1937年まで続く殷墟の発掘という形で実存が証明されました。この古い支那箱は、殷墟研究、発掘の年代とまさに時を同じくするもので、その金石学者達と同様の殷代文物への強い憧憬が看取されます。貴重な来歴も、非常に興味深い一品です。