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紅地青花龍文方形盤

景徳鎮窯
明 嘉靖在銘(1522〜1566年)
高 3.8 cm 一辺 14.8 cm

来歴

Chen Chi, 日本.
Bluett & Sons Ltd., ロンドン, 1961年.
Roger Pilkington(1928-69年)旧蔵.


所載

Adrian M. Joseph『Ming Porcelains: Their Origins and Development』Bibelot Publishers Ltd., 1971年, 図版81.




Jingdezhen ware
Jiajing mark and period
H. 3.8 cm W. 14.8 cm

PROVENANCE

Chen Chi, Japan.
Bluett & Sons Ltd., London, 1961.
Roger Pilkington (1928-69) Collection.


LITERATURE

Adrian M. Joseph, Ming Porcelains: Their Origins and Development, Bibelot Publishers Ltd., 1971, pl. 81.






明代の嘉靖年間の景徳鎮官窯で作られた盤です。重厚に作られた磁胎、その上に塗られた濃厚な深紅の色彩は鮮烈な印象があります。嘉靖の青花は回青が用いられ、やや紫味を帯びた「菫青(きんせい)」と呼ばれる深く力強い青花が特徴的で、この青花で描かれた龍には堂々たる風格を感じられます。裏行きも素晴らしく、直線的で高く緩みのないこの高台も見所のひとつと云って良いでしょう。「大明嘉靖年製」の官窯銘は、高台の大きさに比して大振りの威厳に満ちたもので、同時代作例の模範的な銘と思われます。本作のような紅彩を地にして青花で龍文が描かれた方盤は、大英博物館内に展示されるデイヴィッドコレクション以外に類例が殆どなく、非常に貴重な作例です。

嘉靖期になると景徳鎮は活況を呈し、焼造量が増大したことで民窯への委託焼造が行われ、官民の境が曖昧となり官窯に民間の気風が流入していきました。文様には吉祥文が多用され、器形も方形など型を用いた変形で自由なものが多く見られるようになります。このような特徴から嘉靖に始まる明代の後半は爛熟期と称されますが、その華美奢侈の気風を受けたことでより華やかで濃厚に発展した五彩や雑彩といった色絵磁器こそ、同時代の良さが最も反映されたものと云えるでしょう。

旧蔵者 Roger Pilkington(1928~1969年)は、ガラス製造業で財を成した英国を代表する中国美術蒐集家のひとりで、特に明代の官窯磁に希少な優品を所有していました。彼の蔵品は長らくケンブリッジのthe Fitzwilliam Museumに所蔵展示されていましたが、2014年にそのコレクションがオークションに掛けられ、記録的な売上になったことは近年の美術市場で大きな話題となりました。