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三彩馬

盛唐(7世紀末〜8世紀前半)
高 52.8 cm

来歴

Joseph Winterbotham, Jr.(1878〜1954年)旧蔵.
1954年The Art Institute of Chicagoへ寄贈 (acc. no. 1954.417).




High Tang
H. 52.8 cm

PROVENANCE

Joseph Winterbotham, Jr. (1878-1954) Collection.
Gifted to the Art Institute of Chicago, Chicago in 1954 (acc. no. 1954.417).




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唐代の王侯貴族は、厚葬の風によって墓中を飾るための神明の器、すなわち「明器」を副葬しました。古代中国では死後、生前同様の生活を送ると考えられていたため、この明器は生活用具から従者へ至る多様な種類が作られています。その中でも馬俑はひときわ手の込んだ名作が多く、その大きさや造形力、華やかさから唐代美術の象徴、ひいては鑑賞陶器の花形となっています。

本作は馬俑の中では中程度の大きさですが、造形美には目を見張るものがあります。目や鼻梁は非常に深く、シャープに表現され精悍な顔つきで、開いた口からは力強い嘶きが聞こえてきます。両耳を別々に動かすことのできる馬の微妙なしぐさや、頸部を左に曲げた細部の動きにも硬さがなく、上品な緊張感を持っています。頭部が小さく脚部の長い美しいプロポーションは、名馬を産したペルシア方面の品種と考えられ、国際色豊かな大唐帝国の香りを芬々と漂わせています。

釉薬も抜群の状態で、死後永遠に供されるために作られた輝きを今に伝えています。褐釉白斑という珍しい毛色も面白く、白い部分は褐釉が掛からないように蝋を置き、施釉焼成したという「蝋抜き」と呼ばれる技法を用いたと考えられる点も非常に興味深いものです。鬣と尻尾が無いのは欠損ではなく、残る溝や穴に副葬時には本物の馬毛を用いていたと思われます。

本作はシカゴ美術館の旧蔵品という来歴を伴っており、20世紀初頭の早い時期にアメリカへ渡っています。このような美術館クラスの唐代馬はめったに市場に出るものではありません。是非ご覧になって頂きたい逸品です。