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白磁緑彩龍文盤

景徳鎮窯
大明正徳年製銘(1506〜1521年)
径 20.1 cm 高 4.3 cm

来歴

Edward T. Hall(1924〜2001年)旧蔵, no.336.




Jingdezhen ware
Zhengde mark and period
Dia. 20.1 cm H. 4.3 cm

PROVENANCE

Edward T. Hall (1924–2001) Collection, no. 336.






明時代正徳年間に景徳鎮の官営工房で焼造された緑彩の盤です。見込みに一頭と裏面に二頭の龍が描かれており、裏面は龍の周囲に暗花で波濤文を施しています。数ある正徳年製の緑彩龍文盤の中でも出色の出来栄えを示しており、比較的細身の龍が刻花を交え繊細に表現されています。飛雲と龍文を除く全面に透明釉を掛け高火度で焼成した後、施釉されず露胎になっている雲龍部に加え、既に透明釉が呈着している上にも緑彩を施し、今度は低火度で焼成するという窯法がとられています。

正徳期の緑彩は沸えて色が濁ってしまっているものや、緑の色が濃く呈色しているものが多くみられ、透明感のある、まさに豆彩とでも云うべき色調に呈色している作例は希少です。淡い明るいペールトーン系の黄緑色は光沢感があり、表面に虹彩が出ている抜群の状態です。龍の彫りも素晴らしく、とくに裏面の龍の角は、他の作例と比較してよく彫られており、生え際からしっかりと表現されています。

銘は、他の正徳の銘と比べて二回りほど小さく、前皇帝の治世である弘治年間の作例にみられるバランスです。そのような観点や、作行きなどから、正徳年間でもごく初期に焼成された作品と推察されます。また本作の龍の爪は、元は皇帝の象徴としての五爪(ごそう)でしたが、一つ削られて四爪になっています。これは皇帝が臣下にこの盤を下賜(かし)した際に取り去ったと考えられ、明時代の漆の作品でもしばしば見ることができます。

来歴もよく、清朝単色釉磁の名コレクターであるEdward T. Hall(1924~2001年)の旧蔵品です。上がりの良さや洒脱な感じに清朝官窯にも通じる部分を見い出してコレクションに加えたのではないかと想像されます。明中期の官窯は、ご紹介できる機会も多くありません。明初や明末の官窯とは趣が異なる繊細さと品の良さがあるのが特長です。ぜひともこの機会にお手にとっていただきたい一品です。