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白磁兔耳壷

初唐〜盛唐(7世紀)
高 10.0 cm 胴径 11.1 cm

来歴

Christie’s, ロンドン, 1982年4月7日, lot 168.




Early Tang–High Tang (7th century)
H. 10.0 cm Torso Dia. 11.1 cm

PROVENANCE

Christie’s, London, 7 April 1982, lot 168.






丸みのある胴部に両耳の付く、唐時代の壺です。両耳をよく見ると、目や耳が形押しされており、うずくまる兎のユーモラスな姿であることが分かります。不思議と初唐期の白磁壺を中心に兎形の耳が付く例が散見されますが、限られた期間でのみ流行し、その後に継承されることはありませんでした。さらに何故兎形の耳なのかということもよく分かっていません。丸々とした壺を月に見立て、そこに住む兎を連想したという説もあります。いずれにせよ、非常に愛らしい意匠と云えます。

全体に目を移すと、万年壺と呼ばれる唐時代を代表する豊かな壺形です。この兎耳壺のように時代の早いものは肩部が強く張り出し、そこから底部に掛けて引き締まっていく逆三角形のようなラインをしています。この形状が器形の緊張感に繋がっており、本作は大きな作品ではありませんが、引き締まって堂々たる印象があります。長い年月を経て土銹が染み込み、釉薬や胎土がやや褐色を帯びていますが、かえってあじわい深いものになっています。

1982年にChristie'sで取引された来歴が付随しており、来歴を伴う点も好ましい作品と云えるでしょう。