マユヤマオンラインコレクションロゴ
Loading...

白釉紅緑彩牡丹文盤(宋赤絵)

磁州窯系
金 (12〜13世紀)
高 3.7 cm 口径 15.3 cm

出展

『特別展 中国の陶磁』東京国立博物館, 1994年, no. 215.




Cizhou type ware
Jin dynasty (12th–13th centuries)
H. 3.7 cm Mouth Dia. 15.3 cm

EXHIBITED

Special Exhibition Chinese Ceramics, Tokyo National Museum, 1994, no. 215.






SOLD

赤と緑のコントラストが目を惹く、色彩豊かな盤です。紅、緑色を用いて絵付したこのタイプは宋時代頃の彩画陶器、「宋赤絵」として知られ、金時代の磁州窯を中心に隆盛しました。見込み中央には濃い紅色で大胆な牡丹文が描かれ、それを取り囲む枝葉の緑の発色と透明感も素晴らしく、開放的な生命力が感じられます。宋赤絵は白釉胎を高火度で焼成したのちに、文様部分のを緑や赤、黄を低下度で焼き付けるために大変剥落しやすい欠点がありますが、本作は抜群の状態で色彩が残っています。これほど状態の良い作品は稀で、オリジナルの魅力を存分に味わうことができるでしょう。

五代から北宋時代の磁州窯作品は、文様を施すのにうつわを掘り込む搔き落としや刻花という刃物状の工具を用いて削る技法が主流でした。しかし宋時代の磁州窯において新たな技法が着想されます。それが器上に筆で絵を描く装飾技法である赤絵で、これはその後の陶磁器の歴史にとって重要な出来事でした。続く元時代の青花が創始され、明清代にはポリクロームの五彩の隆盛へと繋がっていくこととなります。宋赤絵は民衆の窯であったがゆえの進取の気風が成し得た技法と云え、民窯の気風にあふれた華やぎや情感を体現したものとして多くの人々に愛好されてきました。中国陶磁というと厳格な魅力を有したものが多い中で、独自の魅力を持った宋赤絵は中国陶磁の奥深さを感じられる作品です。

本作は1994年に東京国立博物館で開催された「中国の陶磁」に出陳された作品です。廣田不孤斎の寄贈した水禽文の碗などと並んで、現存する宋赤絵を代表する一品と云えるかもしれません。