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五彩鶏図杯

景徳鎮窯
清 康熙年間(17〜18世紀)
高 4.9 cm, 口径 8.6 cm

来歴

Alfred Clark夫妻(1873〜1950年, 1890〜1976年)旧蔵.
1975年3月25日, Sotheby’s London, ロンドン, Lot 116.
ドイツ人コレクター旧蔵.




Jingdezhen ware
Qing dynasty, Kangxi period
H. 4.9 cm, Mouth Dia. 8.6 cm

PROVENANCE

Collection of Mr. and Mrs. Alfred Clark (1873–1950, 1890–1976).
Sotheby’s London, March 25, 1975, Lot 116.
A German private collection.






非常に薄作な磁胎と、精妙な絵付けが見事に調和する杯です。清朝初期、康煕年間の景徳鎮窯では「康煕五彩」と総称される彩絵磁器が製作されました。明代の五彩と比して釉薬は明るく色彩も多様で華やかに、また濃淡表現が盛んに用いられるようになったことで、その文様は絵画的な繊細さを手に入れました。これらの康煕五彩はヨーロッパへ向けた輸出品で、今でも欧州に遺例が多く残されています。

本作はその中で出色の出来映えを示しています。前述した胎の薄さは驚くべきものですが貧相な印象はなく、しっかりとした骨格が感じられます。また透光性が非常に高く、土の良さ、焼きの良さ、磁器としての完成を示しており、官窯作品と共通する質の高さを持つことが本作の魅力と云えます。鶏と雛鳥の図は、五代の人賣禹鈞(とううきん)の息子五人がみな立身出世を遂げた逸話から「五子登科」という吉祥図案として好まれた題材の変形でしょう。また、蝶は八十歳以上の老人を示す(ディエ)の音と同じことから長寿の意を暗示しており、文様全体が祥気に満ちています。

旧蔵者Alfred Clarkは鑑賞陶器界を代表する大蒐集家の一人で、その旧蔵品には汝窯を始めとする宋磁、また明代官窯磁器のような最高峰の陶磁器がありました。彼のコレクションは一部大英博物館に寄贈されていますが、多くはAlfred Clark夫人によって1970年代にオークションで売却され市場に流通しました。本作もそのひとつであり、現在でもその蒐集品のレベルの高さから市場で高い評価を受けています。