MAYUYAMA ONLINE COLLECTION
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青銅鑾

西周(紀元前11~紀元前8世紀)
高 17.6 cm

来歴

繭山龍泉堂.




Western Zhou dynasty (11th –8th centuries BC)
H. 17.6 cm

PROVENANCE

Mayuyama & Co. Ltd., Tokyo.






HOLD

青銅器製の西周時代の鈴です。馬車や戦車を引く馬同士を連結する(くびき)に付けられていたもので、(らん)と呼ばれています。馬の動きに合わせて軛の上の鈴が鳴る仕組みとなっていました。

円環形の枠を持つ球体に放射状の透かしが施された鈴部に、軛に装着する台形の台座が付いています。シンプルで実用的な造形ですが、透かしになっている8本の板状の部位は、太さ厚みが揃っており、放射状の配置も均等になされています。鈴部と台座を繋ぐ頸部の稜線は鋭く、また台座下部に施されたアールも整っており、細部まで丁寧に造られたことがうかがえます。

中国で馬車や戦車が使われ始めたのは殷代末期と考えられ、河南省の殷墟からは車と馬を副葬した「車馬坑」が発掘されています。その使用が全盛になったのがその後の西周から戦国頃で、鑾もその頃に多く見られる器種です。本作は、かつて繭山龍泉堂で扱った品で、類例が奈良国立博物館や久保惣記念美術館に所蔵されています。

3000年余り前につくられたにも関わらず近代彫刻のようなモダンな造形感覚を有した一品を是非お手元でお楽しみください。