繭山龍泉堂.
Mayuyama & Co., Ltd., Tokyo.
中国の北方、現在の内蒙古自治区のオルドス地方では、戦国から漢時代を中心に青銅器文化が花開きます。それは中国の様式とスキタイ系文化が混ざり合ったもので、中原青銅器とは異なる独自の美的感覚を有していました。そのオルドス青銅器文化の担い手は北方の遊牧民であったため、あまり大きなものはなく携帯性の高い実用的な武具や装身具などが多く見られます。本作も帯の飾金具と考えられます。
さらにオルドス青銅器の特徴としてあげられるのが動物文様の多用です。遊牧民族ならではのアイデンティティが感じられる重要な一要素と云えます。この飾金具はその典型で、二頭の駱駝が向かい合う意匠です。動物表現自体は素朴でありながら雄渾な雰囲気も感じられます。座右に飾り日々愉しみたい一品です。