唐時代の後半期に長江中流域の長沙窯で作られた鳥形の笛で、玩具のようなものであったと考えられます。丸々と太った小鳥の姿は、製作より1000年以上の時を経た現代でも変わらぬ愛らしさに溢れています。短い両翼、尾羽には簡略な線刻で表現がなされ、陶工の手慣れた様子が窺えます。ねっとりとした胎土、赤味を帯びた付着土も長沙窯の特徴を良く示していると云えるでしょう。
深淵な美質を持つ作品が多い中国陶磁の中にあって、長沙窯の作品は開放的で自由な雰囲気の独特な魅力を持っています。ぜひ日々飾ってお楽しみ頂きたい一品です。