MAYUYAMA ONLINE COLLECTION
Loading...

青磁鉢

高麗(12世紀)
高 9.2 cm 口径 17.9 cm

Koryo dynasty (12th century)
H. 9.2 cm Mouth Dia. 17.9 cm




SOLD

高麗青磁は様々な中国陶磁から影響を受けて生み出されました。その中で、中国の青磁と趣が異なる「翡色青磁」と呼ばれる青磁が誕生します。翡色とは、一説によると「カワセミの羽の様な」と例えられる高麗独自の青磁の色で、繊細な釉調から王室や貴族階級にも尊ばれました。

薄く、シャープな形が美しい鉢です。全体的に流麗な造りで、且つ厳しい口縁をたたえた様は、定窯や景徳鎮窯からの影響を連想させます。釉薬は全面的にほぼ均一に施釉されています。十二世紀初めの素文青磁は、透き通った、鮮やかな青が美しい釉調で、当品もその特徴を表しています。光沢が強く、貫入が入っています。目跡が極めて小さく、高台が均一になるように丁寧な仕事が施されています。このことから、当時影響を受けていた汝窯のエッセンスを仄かに感じることが出来ます。

当品には、かつて所有されていた方が誂えられたと思われる箱と箱書きが付属しています。箱書きには『高麗青磁 片口型鉢』と銘打たれています。口縁の曲がり方がやや尖っているためか、片口と例えられたところに面白みが感じられ、鑑賞に加えて用の美でも活かす事が出来る可能性を秘めています。