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青磁刻花犀牛望月文鉢

耀州窯
金(12世紀)
髙 7.8 cm 径 21.4 cm

Yaozhou ware
Jin dynasty (12th century)
H. 7.8 cm Dia. 21.4 cm




12世紀、金時代に耀州窯でつくられた青磁の鉢です。見込みには四稜形の枠を取り「犀牛望月」という犀牛(サイ)が月を仰ぎ見る図様が大らかな線で刻されています。耀州窯らしいオリーブグリーンの釉薬が、刻線の深浅により美しいグラデーションを呈しています。小振りで引き締まった高台の畳付きは釉が拭われ露胎となっていますが、その周辺が赤く焦げており、焼成温度の高さと胎土の鉄分の多さが窺われます。

唐時代に開窯した耀州窯は、当初は三彩や黒釉、褐釉など多様なやきものを焼造していましたが、五代頃から青磁を中心として発展しました。その変遷は器種、釉色、文様やその表現方法などからも看取することができます。本作のようなシンプルで大らかな刻線による装飾というのは金時代によく見られるようになる装飾様式です。また、犀牛望月の図様もこの時代の耀州窯、殊に碗や鉢に好んで使われていたものです。