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青磁輪花杯

龍泉窯
南宋(13世紀)
高 4.8 cm 口径 8.3 cm

来歴

John E. Bodie(1930年~2023年)旧蔵.




Longquan ware
Southern Song dynasty (13th century)
H. 4.8 cm Mouth Dia. 8.3 cm

PROVENANCE

John E. Bodie (1930年-2023) Collection.






HOLD

南宋代の龍泉窯で作られた輪花の杯ですが、龍泉窯作品の一般的なものとは少し雰囲気の異なる落ち着いた風情を持った一品です。龍泉窯としてはやや焼けた部分が黒く全体の貫入の多い、どことなく南宋官窯に通ずる美質を持った青磁です。黒胎に近い龍泉渓口窯という窯も現在では知られており、本作もそういった窯で焼かれた可能性もあります。

柔らかい輪花の造形がマットな青磁によく合っています。釉薬がカセていることは欠点ですが、かえって上述したように作品の落ち着きに繋がっているように感じられます。高台が小さく引き締まっていることで接地面が小さく、置いた際にうつわが実際に咲いた花のように浮遊しているような印象があります。シンプルな器形ですが、洗練された良い造形です。

実際に掌中で愛でるにも良き大きさと思われ、人によってはお使いになる愉しみもあるかもしれません。