C. T. Loo & Co., 1957年.
Mr. B 旧蔵.
C. T. Loo & Co., 1957.
Mr. B Collection.
唐時代の俑と聞けば三彩をイメージしますが、その前身となるタイプが存在します。この黄釉加彩舞人は、隋から初唐期にかけて、三彩が主流になるまでに作られた俑です。高髷を結い、襦と裙を着用し、披巾を纏った姿は初唐期に流行した髪型と服装です。袖が手よりも長く植物の蔓のように流れています。長い袖を翻して舞う様が特徴の、胡旋舞を踊っているのでしょうか。
細身な体形で顔の輪郭や表情、髪型や首筋等が写実的に造形されています。裙も胸部から下るにつれてプリーツに柔らかさと自然さが表れています。披巾には皺が深く流麗に刻まれ、布自体に軽やかさが見られます。漢時代や魏晋南北朝時代の俑の背面は平坦でしたが、この時代には立体的に変化しています。黄釉が全体的に施釉されていますが、帯と裙にかすかな紅と緑の加彩が残り、当時の配色が思い起こされます。
この作品は、パリ及びニューヨークで運営されていた美術商社、C. T. Loo社でも取り扱われました。創業者のC. T. Loo(1880~1957年)氏自身は20世紀初頭に欧米で中国美術を広めた主要ディーラーの一人です。ロックフェラー三世やJ. P. モルガン等の大コレクターと取引するなど、古美術業界に大きな軌跡を残しました。