C. T. Loo & Co.
G. F. Giaquili Ferrini 旧蔵.
C. T. Loo & Co.
G. F. Giaquili Ferrini Collection.
金時代頃に作られた一対の百合口瓶です。「墨流し」または「流泥」と呼ばれる技法でもって瓶の胴部に施された文様が目を惹きます。これは水面に浮かべた色泥土を写し取る技法で、文様は偶発的で変化に富み、抽象芸術的な要素を持っています。類例は多くなく、希少な作品です。
陶磁器として重要な器形も素晴らしく、口縁を花弁状にして変化を付けながらも弱さを感じさせない造形力は陶工の技量の高さを感じさせます。洒脱な文様と相まって中国陶磁器という範疇を超えた、造形と文様のハーモニーを楽しめる逸品です。
本作は中国鑑賞美術の歴史に於いて最も重要なディーラーのひとりであるC. T. Looの取扱い品で、その後イタリアのFerriniコレクションとなっていました。墨流しは現代も西洋の書籍装飾に用いられるマーブリングと同種のものであり、欧州人は親近感を抱いたでしょう。勿論古く中国で作られたこの作品の美しさに驚き、魅了されたに違いありません。