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三彩獅子

盛唐~中唐(8世紀)
高 13.7 cm 幅 8.9 cm

High Tang - Mid Tang (8th century)
H. 13.7 cm W. 8.9 cm




緑と褐色、そして素地の白で色彩を表現した唐三彩の獅子です。ミニチュアでありながら、その造形には優れたものがあります。唐時代は特に西方からの文化的影響が強い時代と言われますが、本作を見ていても造形的には東洋的な獅子というよりも、ギリシア・ローマ、またそれらを受け継いだヘレニズムのライオンの石彫のような印象が感じられます。ただし台座の蓮弁は仏像などと共通する要素もあり、やはり仏教の聖獣としての側面も有していると思われます。西方からヘレニズム、ガンダーラを経て伝播した彫刻と中国的な感覚の融合が感じられる作品です。

唐三彩はいくつかの窯で焼造されたことが分かっていますが、宋代に優れた青磁を焼いたことで知られる耀州窯もあります。本作は盛唐以降のやや新しい感覚の造形であることや、釉色が少し重めな点など耀州窯の三彩の可能性も考えられます。