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青釉緑彩倣文字文稜花鉢

セルジューク朝(12世紀)
高 13.4 cm 口径 19.8 cm

出展

「ペルシア名陶展」白木屋, 1962年11月14~19日, no. 64. 


所載

三上次男『図録 ペルシアの陶器』中央公論美術出版, 1962年, 図版60.




Seljuk dynasty (12th century)
H. 13.4 cm Mouth Dia. 19.8 cm

EXHIBITED

Persia Meitō-ten [Islamic Selected Masterpieces of Ceramics], Shirokiya, 14–19 November 1962, no. 64.


LITERATURE

Tsugio Mikami, Islamic Pottery Mainly from Japanese Collections, Chuo-Koron Bijutsu Shuppan, 1962, pl. 60.






SOLD

鮮烈な青色が魅力的なペルシア陶器の逸品です。堂々とした深鉢で力強い造形をしています。口縁はペルシア陶器としてはかなりシャープに成形されています。ペルシア陶器は造形が緩い作例が多く見られますが、本作は骨格がしっかりとした優品と云えます。高台も高さがあり角を面取りするなど、細部までも高い意識が感じられます。また側面には緑釉でペルシア文字のような文様が描かれているのも興味深い点です。

ペルシアでは11世紀後半のセルジューク朝になると陶磁器に新たな潮流が生まれます。それはターコイズ、ラピスラズリを思わせる青釉や青藍釉の登場で、これらは現在でもペルシア陶器の代名詞となっているような独自かつ魅力的な色彩のものです。まさにこの稜花鉢でも見込みに溜まった釉薬は鉱石のような輝きを見せており、一つの見どころとなっています。

本作は1960年代のペルシア陶器展に出陳された来歴を持つなど、古くから日本で知られた作品でした。ペルシア陶器の優品と思われます。