MAYUYAMA ONLINE COLLECTION
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白磁有蓋盤口壺

隋〜初唐(7世紀)
高 15.3 cm 胴径 13.8 cm

来歴

Carl Kempe (1884〜1967年) 旧蔵.


所載

Bo Gyllensvärd,『Chinese Ceramics in the Carl Kempe Collection』Almqvist & Wiksell, 1964年, 挿図240.
佐藤雅彦『陶磁大系 第三七巻 白磁』平凡社, 1975年, 図版36.
『Kinesiska Keramiska Mästerverk』The Museum of Art and Far Eastern Antiquities,  Ulricehamn, 2002年, 図版454.




Sui dynasty–Early Tang (7th century)
H. 15.3 cm Torso Dia. 13.8 cm

PROVENANCE

Carl Kempe (1884–1967) Collection.


LITERATURE

Bo Gyllensvärd, Chinese Ceramics in the Carl Kempe Collection, Almqvist & Wiksell, 1964, fig. 240.
Satō Masahiko, Hakuji [White Porcelain], vol. 37 from the series Tōji Taikei [Great Lineage of Pottery], Heibonsha, 1975, pl. 36.
Kinesiska Keramiska Mästerverk [Chinese Ceramic Treasures], The Museum of Art and Far Eastern Antiquities, Ulricehamn, 2002, pl. 454.




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HOLD

ゆったりとした優美な胴の曲線、厳しさを感じさせる盤状の口縁部、全体にシンプルかつ無駄のない白磁作品です。宝珠を象ったつまみの蓋が残る例も珍しく、往時の完全な姿を今に伝えています。隋に先立つ北斉頃に白磁は完成したとも云われますが、本作の作られた隋代頃には早くも洗練を極め白磁の一つの頂点となったことはこの盤口壺を見ても明らかでしょう。

非常によく精錬された白い胎土を用いて作られた、金銀器や響銅(サハリ)を祖とした造形力の高さは特筆すべきものがあります。また同時代のやきものは底部が平らなものが多い中、本作は広い輪高台を作った丁寧な作行です。またその優れた形状の上に掛けられた釉薬は艶やかで、溜まりの部分はやや黄味を帯びた力強さも感じさせます。このように隋から初唐の白磁は、まるで金属とガラスを融合し昇華させたとも云える魅力を備えています。

この盤口壺は、スウェーデンを代表する東洋美術蒐集家Carl Kempe(1884〜1967年)の旧蔵品です。Kempe氏は幅広く中国美術を集めましたが、特に六朝から唐代の青磁と白磁の持つ美質に心惹かれたようです。さらに同様の造形性を持つ金銀器も多数蒐集しており、これらの分野が彼のコレクションを特別なものにしています。本作はまさに彼のコレクションの特質を一点で体現した、Kempeコレクションのシグネチャーと云える逸品です。