晩唐期の白磁水注です。全体に縦長のフォルム、なだらかな曲線を描く胴部に短い注口と紐状の把手が配された、当時の水注の典型とも云える造形をしています。胴と注口の接合部には細かい刻線を巡らせた円形貼花が施され、金属器が祖型だったことを示唆しています。きめ細かい胎土には、高台裏に至るまで総体に白化粧が施され、その上から腰下部にかけて乳白色の失透性釉薬が均一に掛けられています。
高さわずか9センチほどの作品ですが、把手や注口などの細部まで配慮が行き届き、また造形のバランスが良いために小品であることを感じさせない存在感を有しています。唐時代の美質をお手元でご堪能いただける一品です。