Bluett & Sons Ltd., ロンドン.
Francis Golding(1944〜2013年)旧蔵.
Bluett & Sons Ltd., London.
Francis Golding (1944–2013) Collection.
金から元時代にかけて山西省の霍州窯で焼成された白磁の高足杯です。緩やかな曲線を描く輪花形からは柔らかさとリズムが感じられます。脚部には数本の圏線が巡らされ、また杯部の薄手な作りも相まってその祖型は往時に流行した銀器などにあったことが看取されます。器体全体に掛かる釉薬は定窯にも似た柔らかな象牙色を呈しています。この温かみのある釉色に加えて、大ぶりな杯と短めの脚部のバランスや緩やかに曲線を描く口縁などからは、大らかな趣きが感じられます。
脚部の畳付きには削り取ったトチンの痕跡が残っています。見込みに残る極小の目跡は、山西省の窯で焼成されたものによく見られる傾向で、焼成時に重ね焼きされていたことを示唆してます。霍州窯は、知名度は高くありませんが、宋代定窯にも通じる美質と磁州窯のような伸びやかさを併せ持っていることがその特徴と云えましょう。本作は、その学究的姿勢でも知られるロンドンの老舗古美術商、Bluett & Sonsの扱いです。