初唐期に作られた白磁の盤です。均整の取れた造形は同時代の金銀器や響銅を思わせるもので、非常に引き締まった形状です。真横から眺めるとその切れ味がよく分かります。中唐期には「白磁は銀の如し、青磁は玉の如し」と称えられることになるように、唐白磁は極めて金属器的な要素が強い器物と云えます。ただし、金属器にない柔らかさを兼ね備えている点はやきものならではでしょう。底部に付いた三足の脚には愛らしさも感じられます。
全体に細かな貫入がありそこへ長い年月を経た土銹が入っていますが、白の部分からは美しいガラスのような白色が見られ、同時代の白磁の完成度の高さを看て取ることが出来るでしょう。
本作はかつてシカゴ美術館に収蔵されていた品物です。