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青銅方壺 鈁

戦国(前3世紀)
全高 43.1 cm 胴径 30.0 cm

Warring States (3rd century BC)
H. 43.1 cm Torso Dia. 30.0 cm




戦国時代の末期に作られた方形の壺、(ほう)です。大変シャープな造形が目を惹きます。豊かに張りだした胴部、口縁部に向かって伸びていく頸部のラインは美しい曲線を描いています。二面に付いた把手で装飾でもある、神獣を象った鋪首も繊細な造形をしており、本作の見どころのひとつと云えるでしょう。

中国の青銅器は殷時代に祭器としてその芸術性の極地へ至ります。しかし、その後の青銅製品は一概に衰退した訳ではなく実用的な方向へ発展したため、本作のようなシンプルな美しさを獲得することになります。また蓋には四羽の鳥と思しき装飾が付いていますが、これも前時代のものはより写実的で立体的なものでした。戦国末〜漢代に掛けての意匠のディフォルメによって、かえって表現としては面白いものになっていると考えることも出来るかもしれません。