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黒釉弁口水注

盛唐〜中唐(8世紀)
高 6.4 cm 胴径 5.2 cm

来歴

Carl Kempe(1884〜1967年)旧蔵.


所載

Bo Gyllensvärd『Chinese Ceramics in the Carl Kempe Collection』1964年, no. 7.




High Tang–Mid Tang (8th century)
H. 6.4 cm Torso Dia. 5.2 cm

PROVENANCE

Carl Kempe (1884–1967) Collection.


LITERATURE

Bo Gyllensvärd, Chinese Ceramics in the Carl Kempe Collection, 1964, no. 7.






湾曲した口縁部が花弁のように見えることから、弁口水注と呼ばれる唐代のやきものです。ギリシア・ローマで葡萄酒を注ぐために用いられた注器、オイノコエに祖型を持ち、シルクロードを通じて東アジアに伝来した器形です。本作はそのミニチュアで、玩具、もしくは明器として作られたものと思われます。

黒褐色の釉薬はよく溶けて、艶やかで美しいガラス質になっており、本作の見どころと云えるでしょう。黒釉系統は重い釉調となる例が多く見られますが、この水注の釉は透明感があり、まるで人工の琥珀のような印象を持っています。ここまで綺麗な釉薬をしたものは滅多に見られません。全体の器形も豊かな膨らみの中に唐磁らしい緊張感が感じられます。

旧蔵者Carl Kempe(1884〜1967年)はスウェーデンを代表する蒐集家です。特に隋唐時代の白磁や魏晋南北朝時代の青磁に優れたものがありました。その多くは出土品であるため、ややもすると考古遺物として見られてしまいがちですが、ケンぺ旧蔵品は鑑賞陶器としての美的な要素を必ず内包しており近年の市場でも高く評価されています。本作もその例に漏れず、魅力のある一品です。