明時代に景徳鎮でつくられた台座付きの盤です。盤と台座が一体化した大変珍しい器形をしています。盤の見込みには、三鈷杵を十字に組んだような
盤の意匠の力強さ、呉須の濃さ、そして台座に描かれる花卉文からは明代初期の風がありますが、類似する羯磨文が描かれた青花碗で紀年銘のあるものが複数出土していることから、本作は弘治年間(1488〜1505年)の作と考えられます。
なかなか類例を見ない本作ですが、全体の造形や意匠、台座に設けられた窓の形状などに、どこか西方の金属器のような趣きがあり、盤につけられた覆輪がそのエキゾチズムを強調しています。用途は定かではありませんが、器形から推測して高坏のように供物を載せるための台だったのではないかと思われます。