白と黒の象嵌(ぞうがん)で装飾された高麗青磁の鉢です。象嵌の高麗青磁の作例は、青磁釉が比較的薄い色の釉調であったり、若干にごっているものも多く、本作はその中では美しく呈色していると云えます。
繊細な象嵌も丁寧に仕上げられており、どこか品のある作品です。フランスの古いコレクションから出てきた経緯より、戦前期にヨーロッパに渡ったものと考えられます。
適度な大きさのため菓子器として用いることもできます。鑑賞するだけでなく、お使いになっても愉しめるような作品です。