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青磁刻花蓮弁文有蓋瓶

龍泉窯
北宋末〜南宋初(11世紀末〜12世紀前半)
高 30.3 cm 

Longquan ware
Late Northern Song–early Southern Song dynasties (Late 11th century–early 12th century)
H. 30.3 cm 




北宋時代末から南宋時代にかけて龍泉窯でつくられた長頸瓶です。蓋と胴部全体に蓮弁文が線彫りで施され、蓮弁文内には櫛目の細かな線も施されています。頸部には轆轤目がくっきりと浮かび上がり、蓋の鈕は、蓮の花被をモチーフとした表現になっています。同モチーフの鈕は、同じく龍泉窯で11世紀頃に焼造された多嘴瓶から見られるようになりました。蓋の縁や文様の刻線、頸と胴の境目などには、翡翠色の釉薬がガラス状になっている釉溜まりが見て取れます。これほど透明度の高い美しい釉溜まりが見られる青磁はなかなかに珍しく、本作の見どころの一つとなっています。器形のバランスも良く、蓮弁文や鈕の細かな細工、施釉まで丁寧に作られた印象の一品です。

本作のような盤口瓶は「(おう)」とも呼ばれ、北宋期から南宋後期・元時代にかけて龍泉窯で多く焼造された江南地方独特の瓶です。その源流は唐時代に越州窯で焼造されていた明器にあると考えられています。その中でも大英博物館蔵のSir Percival Davidコレクションの瓜形長形瓶は「元豊三年(1080年)」の紀年銘があることでよく知られています。