古代中国では、高貴な身分にある人物は身の回りを美しい玉によって飾る風習がありました。本作のような環も帯鈎や紐などを輪に掛けるための装身具の一つと考えられています。玉は石質そのものの美しさは勿論のこと、その貴石の持つ高潔な聖性によって単なる装身具以上の特別な存在でありました。
本作は文様のないシンプルなデザインですが、瑪瑙の半透明な奥行や夾雑物を自然な文様と捉えれることもできるでしょう。多面体の造形は洗練されており造形物として鑑賞に値します。本来の装身具としての用途を離れてもこの造形から古玉器の完成された美しさを感じることができる作品です。