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花梨筆筒

清(17〜18世紀)
高 15.6 cm 口径 24.8 cm

Qing dynasty (17th–18th centuries)
H. 15.6 cm Mouth Dia. 24.8 cm




清時代に作られた花梨製の筆筒です。花梨は、明時代中頃以降に、家具や調度品によく使われるようになりました。丈夫であるという機能に加えて、はっきりとした木目模様、豊かな色彩、高い光沢という美的特性がある材のため、彫文などの装飾が施されていない筆筒に大変適していると云えるでしょう。本作も、光沢ある深い琥珀色を呈しており、木目模様の表情も画像に見られるように直線的な静的印象の面、波文のような動的印象の面があり愉しめます。また、胴部中程がわずかにくびれる造形も大変洗練されています。

文人にとって文房(書斎)は修練の場であるだけでなく、俗世から離れる聖なる空間でした。その部屋の主は自身の美的感覚や好みを反映する選りすぐりの道具を集め、清玩していました。文房で用いられる道具として、まず思い浮かぶのは文房四宝があげられますが、本作のような筆筒、硯屏、水滴などの諸具も主の好みやこだわりを示す重要なアイテムだったのでしょう。