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白磁水鳥把手杯

隋〜初唐(7世紀前半)
高 7.9 cm 長 8.3 cm

来歴

Captain Dugald Malcolm(1917〜2000年)旧蔵.
Sotheby's ロンドン, 1977年3月29日, lot 88.
Eskenazi, ロンドン, no. 7749.
Sotheby's ニューヨーク, 1984年12月3日, lot 19.


出展

「The Arts of the T’ang Dynasty」Oriental Ceramic Society, ロンドン, 1955年2月25日〜3月30日, no. 217.


所載

『The Arts of the T’ang Dynasty』 Oriental Ceramic Society, 1955年, no. 217.




Sui dynasty–Early Tang (First half of the 7th century)
H. 7.9 cm L. 8.3 cm

PROVENANCE

Captain Dugald Malcolm (1917-2000) Collection.
Sotheby's London, 29 March 1977, lot 88.
Eskenazi, London, no. 7749.
Sotheby's New York, 3 December 1984, lot 19.


EXHIBITED

The Arts of the T’ang Dynasty, Oriental Ceramic Society, London, 25 February-30 March 1955. no. 217.


LITERATURE

The Arts of the T’ang Dynasty, Oriental Ceramic Society, 1955, no. 217.






非常に珍しい形の白磁杯です。把手を水鳥の形状とし、杯全体を鳥に見立てた大変ユニークな造形をしています。器形はディフォルメされていますが仔細に観ると、水鳥の顔や嘴、目の表現には自然な趣きが感じられ、丁寧な感覚を持った作品であることが分かります。杯の口縁部も面が取られるなど、シャープでありながらも柔らかさを兼備した良い器形をしています。僅かな凹凸部分にうっすらと溜まった釉が黄緑色を呈しており、この時期の白磁の特徴と云えます。

水鳥をモデルとした杯は唐代に流行したようで、三彩の大英博物館蔵品などが散見されますが、白磁では非常に希少で類例がほとんど見られません。こうした水鳥形杯は、隋から初唐期に多く観られる西方の金銀器を祖型とした酒杯と考えられるタイプで、特に造形の優れた手の込んだ作例が遺されています。

本作は1955年、イギリスのOriental Ceramic Societyが開催した「唐代の美術」展に出陳されています。当時の英国の蒐集家達も、この杯の希少性と特異性、そして造形の面白さに魅了されたことでしょう。往時の旧蔵者Captain Dugald Malcolm(1917〜2000年)のコレクションは1977年にSotheby’sで売り立てられますが、青銅器、古玉、古代の土器から明清官窯作品までを含んだ一大コレクションでした。