Bluett & Sons,ロンドン.
Robert Stanley Hope Smith(1910~1979年)旧蔵.
Bluett & Sons, London.
Robert Stanley Hope Smith (1910–1979) Collection.
唐三彩はその名の通り唐時代に流行したやきもので、緑、褐、白の三色を主としたきらびやかな美しさが後世高い評価を受けています。副葬品の明器としてつくられ、盤は特に銀器や金属器の器形をうつしたとされており、本作にも隙のない力強さが感じられます。底部の環状の三脚は中心側が太く外側に向かって細くなっていく形状をしており、作り手の意識の高さが伺えます。
唐三彩の盤は原則中央に大花形を配置しており、周囲を蠟抜きの白斑で囲むことも多く本作もその例に漏れません。厳格な刻線でシンメトリーに構成された中央の宝相華文は地の白と褐釉と藍釉で見事に表現されています。コバルトを原料とする藍釉は当時から希少性が高く、本作では印象を引き締める重要な役割を担っています。主文の外周は褐釉、内縁の立ち上がりを緑釉で面的に塗りつぶしており、線的な宝相華と対称的な面白さがあります。また、単調とならぬように蠟抜きによる白斑でリズムを加えている点に非凡なデザインセンスが看取されます。
本作は英国のディーラーであるBluett&Sonsから旧蔵者であるRobert Stanleyの手に渡りました。弁護士だったStanleyは1946年頃から中国陶磁器を蒐集しはじめ、1950年にはOriental Ceramic Society の会員となり、1979年にその生涯を閉じました。本作は英国の観賞陶器の正統を今に伝えています。