雨宮氏旧蔵.
京都国立博物館寄託.
Amemiya family Collection.
On loan to Kyoto National Museum, Kyoto.
鉄絵の草花が生き生きと描かれた磁州窯の枕です。北宋から金時代にかけて、磁州窯では高度な技術を用いた格調高い表現の白地黒搔落の表現から、次第に自由でのびやかな鉄絵技法へと変化していきます。白化粧の上に鉄絵で文様を描くこの技法は、後に景徳鎮などで始まる青花のルーツを想起させます。
中央の花を主として三輪の花を配し、その間に伸びる枝葉が文様に動感を加えています。鉄絵一色でありながら黒の濃淡によって草花の光沢や色あせした部分などが効果的に描き分けられており、文様の奥行きと立体感がよく表されている点は特筆に値するでしょう。一見簡略で素朴な絵に見えながら、表現の奥深さに作家の草花に対する高い観察眼が見て取れます。そのキャンバスとも言うべき全面に施された白化粧は純白ではなく、全体に柔和な印象を加えています。
詳細は不明ですが雨宮という旧蔵者の古い箱が誂えられており、古くから日本に伝世したと考えられます。