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白磁輪花盤 一対

定窯
北宋(11世紀)
右:高 1.4 cm 径 9.5 cm, 左:高 1.5 cm 径 9.4 cm

来歴

Norton, ロンドン, 1937年 5月.
Reginald Howard Reed Palmer(1898~1970年)旧蔵.




Ding ware
Northern Song dynasty (11th century)
R: H. 1.4 cm Dia. 9.5 cm, L: H. 1.5 cm Dia. 9.4 cm

PROVENANCE

Norton, London, May 1937.
Reginald Howard Reed Palmer (1898–1970) Collection.






小振りな輪花形の白磁盤一対です。北宋期の定窯でつくられました。釉色は、定窯の代名詞とも云える象牙色というには若干白味が勝っており、それが静謐な印象を醸し出しています。この白味が勝る釉色に加え、適度な厚みがあり口縁部が立ち気味であるという本作の特徴は、北宋期の定窯としては早い時期の作であるということを示しています。輪花形という器形は唐代から見られるようになりますが、その当時のものは4弁のものが多く、時代が下るにつれ、五代で5弁、そして北宋期には6弁のものが主流となっています。この6弁の輪花形であることに加え、彫文装飾のない素文であるということから、本作は同時代の漆器を模したものであることが推察されます。また、素文であるからこそ端正な器形や釉色の美しさを深く味わうことができるとも云えましょう。

旧蔵者のReginald Howard Reed Palmer(1898〜1970年)は、Oriental Ceramic Society(OCS)のメンバーでもある良く知られた中国美術の蒐集家です。その興味は北魏から明・清までと幅広く、またそのコレクションの数も相当なものでした。特に惹かれていたのは明・清期の陶磁器や玉器、漆器で、1950年から1964年の間に開催された明・清時代がテーマのOCSの展覧会3回にわたって作品が出陳されていました。