MAYUYAMA ONLINE COLLECTION
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灰陶加彩伏犬

北魏(6世紀)
高 6.2 cm 長 17.2 cm

Northern Wei dynasty (6th century)
H. 6.2 cm L. 17.2 cm




五胡十六国の戦乱が終わりを告げ、匈奴からの流れを持つ騎馬部族の鮮卑族拓跋氏が北魏を立てると、西方からの影響が強まり美術様式は仏教彫刻を中心にヘレニズム、ガンダーラ的表現の影響を受けることになります。その表現は中国において洗練されていき、北魏様式が生まれます。俑もその影響を受け、漢時代のデフォルメ調な様式から次第に写実性を帯びていきます。この犬の俑も北魏時代に造られ、その時代ならではの造形美がよく表れています。

特に目を引く部分では、背中の起伏と腹部でしょう。背中は呼吸をしているように盛り上がり、お尻にかけてなだらかな稜線を描いています。腹部は伏せている姿勢が良く表され、柔らかく横に広がり、膨らみます。一見すると単純な造形に見えますが、とても繊細で丁寧な表現で、背中の起伏と相まって製作者の高度な観察力によって造られた犬の俑であることが分かります。前足の曲がり型は多少デフォルメが入っていますが、力の流れ方が自然に伝わる表現になっている事が見て取れます。よく焼き締まった黒胎の上に白い胡粉によって加彩されており、往時はより華やかな俑であったことでしょう。

天理参考館に類例が存在しますが、その他ではあまり確認できない非常に珍しい俑です。