透明感のある青磁釉に彩られた小さな瓶です。それぞれ緊張感のある胴部をした瓶で、一つはラッパのように広がったシンプルな口縁、もう一点は口縁下に膨らみのある特徴的な形状をしています。後者は特に柑橘の実のように膨らむ様から「柑子口」とも呼ばれています。どちらも明らかに金属器が意識された造形であり、中国陶磁らしい端正な作品です。
漢代以来、青磁は長く江南地方の越窯を中心に発展しましたが、南北朝時代になるとより北方でも青磁が作られ始め隋代には高いレベルに到達しました。北方青磁の胎土は越窯に比してやや灰青白で緊密なことが特徴で、また胡麻のような細かな雑物が見られることが特徴です。さらに器形に関しても、越窯のものは南朝らしいゆったりとした感覚を持っているのに対して、北方の作品は本作のように厳格な印象があります。
小品ながら隋代陶磁の魅力を多分に有した作品と云えるでしょう。