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白磁鉄絵小水注

当陽峪窯
北宋(11〜12世紀)
高 6.9 cm 幅 4.5 cm

Dangyangyu ware
Northern Song dynasty
H. 6.9 cm W. 4.5 cm




小さく愛らしい水注です。全体的な器形のバランスが良く、特に頸部から口縁部への伸びやかさ、装飾的な造形の把手などに北宋時代の水注に共通する魅力が看取されます。丁寧に削り出された高台を見ると、胎土が白く上質であることが分かります。本作を焼いた当陽峪窯は宋代の白磁として名高い定窯にも匹敵する技術力を持ち、所謂「黒定」や「柿定」として知られる定窯の最高峰と思われてきた作例の中にも、現在では当陽峪で焼造された作品があると考えられています。小品でありながら、宋磁の魅力が詰まった佳品と云えるでしょう。

上記のような器形の良さに加えて目を惹くのは、胴部に描かれた洒脱な鉄絵の文様です。当陽峪窯の作例にこの文様は散見され、この窯の作例に特徴的な意匠です。モダンな感覚を感じさせるこの幾何学的文様は、一説にアラビア文字のクーフィー体に起源を持つとも言われており、当時の西アジアとの文化的交流も想定される興味深い文様と云えます。

注口から胴部にかけて修復がありますが、その点を差し引いても本作のような優品に出会う機会は多くないと思われます。是非一度ご覧頂きたい逸品と思います。